このツールについて
ホロスコープ(出生図)とは、あなたが生まれた瞬間の天体の配置を一枚の円に写し取った「生まれた時の星図」です。「あなたは〇〇座です」という太陽星座は、そのごく一部にすぎません。本当のホロスコープでは、10天体すべての位置と12のハウス(人生の場面)を組み合わせて、一人ひとり違う図を読み解きます。
📖 読み方の方式
この場面(ハウス)では、この能力(天体)が、こうやって(星座)発揮される
ハウスで場面を決め、天体で能力を把握し、星座で結論を出す。実践的なホロスコープ読みのほとんどはこの形です。このページでは、あなたの全天体をこの方式に当てはめて、読む順番どおりに並べます。
📘 このツールには姉妹編の解説書 — 初心者は何から始めればいいのかがあります。初めての方は、まず解説書で全体の地図をつかんでから戻ってくるのがおすすめです。
あなたの出生データ
・時刻は普段の時計のまま(日本標準時)で入力してください。母子手帳に書かれた時刻がいちばん確実です。
・時刻がわからなくても大丈夫——太陽や水星・金星などはちゃんと読めます(月の位置だけ少し曖昧になり、アセンダントとハウスはお休みになります)。
・生まれた場所が必要なのは、東の地平線の向き(アセンダント)が場所によって変わるためです。日本国内なら都道府県の選択で十分な精度が出ます。
・日付と時刻には、このページを開いた瞬間の日時が最初から入っています。心に質問を定めて、いまいる場所を選んでそのまま作成すれば、ホラリー占星術(「今この瞬間」の図で問いに答える技法。下の「専門的な理論」参照)にも使えます。
💡 隠れている内容が消えるわけではありません。一段読み終えるごとに、レベルを一つ上げてみてください。
あなたのホロスコープ
ネイタルチャート(出生図)
ホロスコープは、この一枚の図がすべてです。この図から得られる情報を整理して読み解いていくのが占星術——このページの下に続く解説もぜんぶ、この円の中にすでに描かれていることの言語化にすぎません。この図が読めるようになれば、全部わかるのです。そして、このホロスコープの図を見てそれぞれの要素を的確に理解し、読み、語ることができる人のことを「占星術師」と呼びます。
🏛 「ホロスコープ」という言葉の由来 — ギリシャ語のホーロスコポス(hōroskopos)=「ホーラ(時間)を見るもの・時の見張り番」。それがラテン語の horoscopus を経て、英語の horoscope になりました。名前に「時間」が入っているとおり、生まれた瞬間を写し取るのがこの図です。ちなみに英語の hour(時間)も、同じホーラを先祖に持つ言葉です。
円の外側から 星座名 → エレメント(火地風水) → 三区分(活動・不動・柔軟) → 二区分(男・女) の四層として表示しています。
図の中の記号(天体とその能力)
天体の位置一覧
まず、全体をながめる
細かい読みに入る前に、図全体を遠くから眺めます。プロもここから入ります——「すぐに言えることを先に言ってしまう」のがコツだからです。エレメントや三区分の偏りがわかると、このあとの一つひとつの読みがすっと腑に落ちます。そして、下の集計を鵜呑みにせず、上のホロスコープの図を見て、それぞれの天体がどの区分に入るのかをご自分の目で確かめてみましょう。手を動かした分だけ、読みは身につきます。
ひとつずつ読む
アスペクト — 天体同士の対話
ここまでの読み方の方式は「この場面(ハウス)で、この能力(天体)が、こうやって(星座)発揮される」でした。アスペクトはその次の段階——ホロスコープの円(360度)の中で天体と天体がなす角度から、能力と能力が互いにどう影響し合っているかを読む技法です。特定の角度で結ばれた二つの天体は、いわば「会話」をしています。それが協力の会話なのか、綱引きの会話なのかを教えてくれるのがアスペクトです。
📖 初学者の方へ — アスペクトはホロスコープ読みの中でいちばん難しい段階です(習熟度でいえば、ここが読めたら上級)。ここまでの「全体をながめる」「読む順番ナビ」で天体×星座×ハウスの読みに充分慣れてから挑む、仕上げの章と考えてください。
メジャーアスペクト5種 — まずはこの5つだけ
アスペクトには細かいものまで含めると多くの種類がありますが、メジャーアスペクトと呼ばれる5種だけで骨格は充分に読めます。大きく分けて、エネルギーがなめらかに流れるソフトアスペクト(調和的)と、摩擦を起こして成長を促すハードアスペクト(緊張的)があります。
| 記号 | 名称 | 角度 | 種類 | 意味 | オーブ |
|---|---|---|---|---|---|
| ☌ | コンジャンクション(合) | 0° | 中立(強調) | 融合と強調。二つの能力がひとつに溶け合い、互いを強め合う | 8度 |
| ⚹ | セクスタイル(六角) | 60° | ソフト | 穏やかな協力と機会。意識して使うとよく伸びる縁 | 4度 |
| □ | スクエア(矩) | 90° | ハード | 摩擦と葛藤。乗り越えることで最も成長できる角度 | 6度 |
| △ | トライン(三角) | 120° | ソフト | 自然な調和と才能。本人が当たり前すぎて気づかないことも | 6度 |
| ☍ | オポジション(対) | 180° | ハード | 正面から向き合う緊張。シーソーのようにバランスを探し続ける | 8度 |
📐 オーブ(許容度数)とは — 角度はぴったりである必要はなく、多少のずれまでは「効いている」とみなします。この許容幅がオーブです。このページでは合・対=8度、矩・三角=6度、六角=4度を採用しています(流派により多少異なります)。オーブが小さい=角度がぴったりに近いほどアスペクトは強く働き、2度以内は「タイト」と呼んで特に重視します。
⚖ ハードは「悪い」ではありません — ソフトだけの人生は、たとえるなら摩擦のない床。歩きやすいけれど、蹴る力が育ちません。ハードアスペクトは人生に課題を持ち込みますが、その摩擦こそが推進力と深みを作ります。名の残る人物のチャートほど、ハードアスペクトがよく効いているものです。
デカンと照応 — あなたの太陽が立つ区画
ホロスコープの円は360度。これを12で割ったものが星座(30度ずつ)でした。ところが古代の占星術は、同じ円をもっと細かく刻んでいます。10度ずつ36に割ったものが「デカン」、5度ずつ72に割ったものが「クイナンス」です。同じ牡羊座生まれでも、牡羊座の頭にいるのか、真ん中か、終わりかで、割り当てられる名も札も変わります。
デカンには支配星とタロットの小アルカナ一枚が、5度の区画には72の天使と72の魔神が配当されています。ここではあなたの太陽が入る区画だけを算出し、そこに配当されているものを、そのまま並べました——全天体分を並べると数が多すぎて、かえって読めなくなるからです。ほかの天体の区画は、下の「専門的な理論」の全表から度数で引けます。
⚖️ これは何の資料か — ここに載せるのは、ルネサンス以降の西洋魔術・カバラの文献に記された照応の体系です。文化史・体系の資料としてご覧ください。召喚や実践を勧めるものではありません。占星術の本流の技法でもなく、「当たる/当たらない」を論じるものでもない——円をどう刻み、そこに何を配当してきたかという、人間の分類の歴史の一断面です。
📖 読み方は書きません — このページは「その区画に何が配当されているか」を出すところまでにとどめ、「あなたはこういう人です」という読み文は載せません。職能の記述は原典の訳であって、あなたを説明するものではないからです。どう受け取るかは、読む方それぞれに委ねます。出典と、使う前に知っておくべき注意は、下の「専門的な理論」に明記しました。
ミニ辞典 — 読み方の材料をぜんぶ載せておきます
読みながら「これ何だっけ?」となったら、ここへ。読み方の方式を支える場面(ハウス)× 能力(天体)× 結論(星座)の三つの表です。
12ハウス = 場面(どのシチュエーションで)
| ハウス | 場面の意味 |
|---|---|
| 第1ハウス | 自己・外見・第一印象 |
| 第2ハウス | お金・所有・価値観 |
| 第3ハウス | コミュニケーション・兄弟・近距離の移動 |
| 第4ハウス | 家・家族・ルーツ |
| 第5ハウス | 創造性・恋愛・趣味 |
| 第6ハウス | 健康・仕事・日常習慣 |
| 第7ハウス | パートナーシップ・結婚 |
| 第8ハウス | 変容・死と再生・共有の財産 |
| 第9ハウス | 哲学・宗教・海外・高等教育 |
| 第10ハウス | キャリア・社会的地位・使命 |
| 第11ハウス | 友人・コミュニティ・理想 |
| 第12ハウス | 潜在意識・霊性・隠れたもの |
ハウスの分割には緯度を計算に入れた「プラシーダス方式」(現在の主流)を使っています。赤道近くで生まれた人はほぼ12等分に、高緯度で生まれた人はハウスの大きさが大きく変わります。
12天体 = 能力(どんなエネルギーが)
| 天体 | 記号 | 能力の意味 |
|---|---|---|
| 太陽 | ☉︎ | 自我・意志・生命力。「何者であるか」の核心 |
| 月 | ☽︎ | 感情・本能・無意識のニーズ |
| 水星 | ☿︎ | 知性・言語・コミュニケーション |
| 金星 | ♀︎ | 愛・美・価値観・調和 |
| 火星 | ♂︎ | 行動力・情熱・闘争心 |
| 木星 | ♃︎ | 拡大・幸運・寛容・伸びる力 |
| 土星 | ♄︎ | 制限・忍耐・試練・責任 |
| 天王星 | ♅︎ | 革新・独立・突発的な変化 |
| 海王星 | ♆︎ | 幻想・霊性・インスピレーション・溶解 |
| 冥王星 | ♇︎ | 変容・死と再生・深層の力 |
| ドラゴンヘッド | ☊︎ | 未来へ進む道・これから獲得する新しいパターン |
| ドラゴンテイル | ☋︎ | 過去に積み上げてきた性質・慣れ親しんだ道 |
12星座 = 結論(どんなふうに発揮されるか)
| 星座 | 記号 | 結論の意味 | エレメント | 三区分 | 二区分 |
|---|---|---|---|---|---|
| 牡羊座 | ♈︎ | 情熱的に・衝動的に・真っ先に動く形で | 火 | 活動 | 男(陽) |
| 牡牛座 | ♉︎ | 安定して・忍耐強く・五感を味わう形で | 地 | 不動 | 女(陰) |
| 双子座 | ♊︎ | 知的に・軽やかに・多方面に広げる形で | 風 | 柔軟 | 男(陽) |
| 蟹座 | ♋︎ | 感情豊かに・身内を守るように | 水 | 活動 | 女(陰) |
| 獅子座 | ♌︎ | 誇り高く・華やかに・注目を集める形で | 火 | 不動 | 男(陽) |
| 乙女座 | ♍︎ | 緻密に・分析的に・完璧を求める形で | 地 | 柔軟 | 女(陰) |
| 天秤座 | ♎︎ | 調和的に・美しく・バランスを取る形で | 風 | 活動 | 男(陽) |
| 蠍座 | ♏︎ | 深く・強く・徹底的に突きつめる形で | 水 | 不動 | 女(陰) |
| 射手座 | ♐︎ | 自由に・楽観的に・遠くを目指す形で | 火 | 柔軟 | 男(陽) |
| 山羊座 | ♑︎ | 現実的に・着実に・野心をもって登る形で | 地 | 活動 | 女(陰) |
| 水瓶座 | ♒︎ | 革新的に・個性的に・型を破る形で | 風 | 不動 | 男(陽) |
| 魚座 | ♓︎ | 感性的に・直感的に・境界を溶かす形で | 水 | 柔軟 | 女(陰) |
エレメント(火地風水)=どんな気質か。三区分(活動・不動・柔軟)=どんなリズムで動くか。二区分(男性宮・女性宮)=エネルギーが外に向かうか内に向かうか。同じ火でも「火を点ける牡羊座(活動)」「燃やし続ける獅子座(不動)」「火を遠くへ運ぶ射手座(柔軟)」——4エレメント×3区分=ちょうど12通りで、12星座はすべて異なる組み合わせを持ちます。
星読みトレーニングのすすめ
上の三つの表をブランクカード(100均で買えます)に書き写し、シャッフルして1枚ずつ引いて「どの場面で・どの能力が・どんなふうに発揮されるか」を声に出して読む練習がおすすめです。アストロダイス(ハウス・天体・星座の12面ダイス)を使っても構いません。
とにかく数をこなすことが重要。200回くらいで実践レベル、可能なら500回。このページで自分や家族のチャートを出して、読み方の方式どおりに読む練習を重ねてください。
専門的な理論 — もっと深くへ
ここから先は上級者向けです。初心者のうちは読まなくて大丈夫——まずは上の「読み方の方式」で数をこなしてください。ただ、いつかこの扉を開けたくなる日が来ます。そのときのために、占星術の専門的な理論を置いておきます。
アスペクト(天体同士の角度)
ホロスコープの円(360°)の中で、天体と天体がどのような角度をなしているかをアスペクトといいます。天体が「何のエネルギーか」を示すとすれば、アスペクトは「そのエネルギーが他の天体とどう影響し合うか」を示します。
アスペクトには大きく二種類あります。
・ソフトアスペクト(調和的):エネルギーがスムーズに流れ、才能や機会として現れやすい。
・ハードアスペクト(緊張的):エネルギーが摩擦を起こし、課題や試練として現れる。成長の力にもなる。
| 名称 | 角度 | 種類 | 意味 |
|---|---|---|---|
| コンジャンクション(合) | 0° | 中立(強調) | 二つの天体のエネルギーが融合し、互いを強め合う |
| セクスタイル(六角) | 60° | ソフト | 穏やかな協力・機会・活かせる縁 |
| スクエア(矩) | 90° | ハード | 摩擦・葛藤・課題。乗り越えると大きな成長になる |
| トライン(三角) | 120° | ソフト | 自然な調和・才能・スムーズな流れ |
| オポジション(対) | 180° | ハード | 対極に引っ張り合う。バランスを求めるが緊張を生む |
コンジャンクション(合)は二つの天体が同じ位置に重なる状態。良い組み合わせはさらに良く、難しい組み合わせはさらに複雑になります。たとえば太陽と金星の合なら、自己表現(太陽)と美・愛(金星)が一体化して、魅力的な自己表現・芸術的センスが際立つ人。火星と土星の合なら、行動力(火星)に制限(土星)の歯止めがかかりやすい反面、鍛えると非常に強い意志力になります。
どこから始めるか——アスペクトはホロスコープ読みの中でも難易度が高く、天体・星座・ハウスの組み合わせだけでも十分に読めます。慣れてきたら、この順に取り入れるのが現実的です。
①コンジャンクション(0°):最も強く、図で見て一番わかりやすい。そのエネルギーが極端に強調されている。
②オポジション(180°):真正面に向き合う緊張。人生で繰り返し直面するテーマが見えやすい。
③スクエア(90°):摩擦と課題。「乗り越えるべき壁」として現れるが、成長の核心でもある。
トライン(120°)は才能として静かに存在していますが、本人が当たり前すぎて気づいていないことが多いもの。「これが得意でしょう?」と指摘すると喜ばれます。
💡 v2から、このページはアスペクトを計算し、チャートの中心線と専用の章(上の「アスペクト — 天体同士の対話」)に表示しています。それでも、位置一覧の度数から自分で角度を数えて表と照合するのは、何よりのトレーニングになります(同じ度数どうしなら合、ちょうど半周違いなら対)。
星座の支配星(ルーラーシップ)と、その美しい対称構造
望遠鏡が登場する前、古代の占星術では7つの天体(太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星)だけが知られていました。この7天体は、夏至を中心とした左右対称の見事な構造で12星座に配置されています。
1年のサイクルで夏至は「最も昼が長く、光が満ちる頂点」。だから圧倒的な光を放つ二大天体(ルミナリー)——月が蟹座(夏至点。水分・育成・母性の季節)、太陽が獅子座(最も暑い盛夏)——が頂点に置かれました。そこから外側へ離れるにつれ、地球から遠い天体が左右対称に並び、一番遠い土星が最も寒い冬至の時期(山羊座・水瓶座)を受け持ちます。熱い星は暑い季節に、冷たい星は寒い季節に。
| 星座 | 支配星(ルーラー) | 配置 |
|---|---|---|
| 水瓶座 | 土星 ♄︎+天王星 ♅︎ | 5番目に近い星:最も寒い |
| 魚座 | 木星 ♃︎+海王星 ♆︎ | 4番目に近い星 |
| 牡羊座 | 火星 ♂︎ | 3番目に近い星 |
| 牡牛座 | 金星 ♀︎ | 2番目に近い星 |
| 双子座 | 水星 ☿︎ | 1番目に近い星 |
| 蟹座 | 月 ☽︎ | 中心:夏至点 |
| 獅子座 | 太陽 ☉︎ | 中心:最も暑い時 |
| 乙女座 | 水星 ☿︎ | 1番目に近い星 |
| 天秤座 | 金星 ♀︎ | 2番目に近い星 |
| 蠍座 | 火星 ♂︎+冥王星 ♇︎ | 3番目に近い星 |
| 射手座 | 木星 ♃︎ | 4番目に近い星 |
| 山羊座 | 土星 ♄︎ | 5番目に近い星:冬至 |
蟹座(月)・獅子座(太陽)の中心から上下に離れるほど遠い天体になっていく——水星・金星・火星・木星・土星が、鏡映しにきれいに並んでいるのがわかるはずです。
「+」で示したのは、近代に外惑星が発見されて性質の一致から追加された支配関係です:天王星→水瓶座(革新・反乱・電気)、海王星→魚座(幻想・霊性・溶解)、冥王星→蠍座(変容・死と再生)。このページで👑(ドミサイル)が付くのは、天体がこの表の自分の星座にいるときです。
🎤 雑学:フレディ・マーキュリーの本名はファルーク・バルサラ。1946年9月5日生まれの乙女座で、乙女座の支配星は水星(Mercury)——自分の星座の支配星を芸名にしたとされています。
📅 雑学:日本語の曜日はそのまま7天体です。日(太陽)・月・火(火星)・水(水星)・木(木星)・金(金星)・土(土星)。英語でもSunday=太陽、Monday=月、Saturday=土星が直接対応しています。
ハウス分割の方式(イコールハウスとプラシーダス)
ハウスの分け方には流派があります。かつては円を単純に30度ずつ等分するイコールハウスが使われていましたが、現在の主流は出生地の緯度を計算に入れるプラシーダス方式です(このページもプラシーダスを採用しています)。
赤道直下で生まれた人のハウスはほぼ等分になり、北極・南極に近い場所で生まれた人ほどハウスの大きさが大きく歪みます。あなたのチャートでハウスの幅が不揃いなのは、計算間違いではなく、生まれた土地の空を正確に映しているからです。
プラシーダスでは、アセンダントが必ず第1ハウスの始まり、MCが必ず第10ハウスの始まりになります。
歳差運動と「時代(エイジ/Age)」——数千年の大周期
西洋占星術には、数百年・数千年単位で時代を読む視点があります。鍵を握るのが歳差運動です。
地球の自転軸は、回転の遅くなったコマがゆっくり首を振るように、約25,920年かけて大きな円を描いて首振り運動をしています。この壮大な一周は「プラトン年(大いなる一年)」とも呼ばれます。この首振りによって、春分点(春分の日に太陽がいる位置=西洋占星術の「牡羊座0度」)が、実際の星座を背景に約72年で1度、約2,160年で星座一つ分、ゆっくり逆向きに滑っていきます。
春分点が今どの星座の前にあるか——それが「時代(Age)」の名前になります。
・牡羊座の時代(約紀元前2000年〜0年頃):火の時代。英雄・征服・行動。都市国家や帝国が生まれ、戦士が時代の象徴に。
・魚座の時代(約0年〜2000年頃):水の時代。信仰・救済・霊性。キリスト教・イスラム教・仏教が世界に広まった。魚は初期キリスト教のシンボル(イクトゥス)でもあります。
・水瓶座の時代(約2000年〜):風の時代。テクノロジー・個の解放・集合意識。「信じること」から「知ること・繋がること」へ。
※「いつ始まるか」は占星術師によって諸説あります。よく引用される目安の一つが、2020年12月21日の木星・土星の水瓶座でのグレートコンジャンクションです(次項)。
「風の時代(エラ/Era)」とグレートコンジャンクション——200年の小周期
「時代」にはもう一つ、小さなサイクルがあります。木星と土星の合(グレート・コンジャンクション)は約20年ごとに起こりますが、それが約200年間、同じエレメントの星座グループ内で繰り返されるという周期があり、これが「土の時代」「風の時代」の区切りを生みます。
| 何で決まるか | 周期 | |
|---|---|---|
| Age(エイジ) | 春分点がどの星座にあるか(歳差運動) | 約2,160年 |
| Era(エラ) | 木星と土星がどのエレメントで合するか | 約200年 |
ひとことで言えば、Ageは「春分点の住所」、Eraは「木星と土星の合体」。原因も周期もまったく異なる二つの暦が、たまたま今どちらも「水瓶座/風」を指しているため、現代は二重の意味で転換点とされています。
・土の時代(約1802〜2020年):牡牛座・乙女座・山羊座での合。物質・所有・蓄積の価値観——産業革命、大量生産、国民国家、資本主義、「目に見えるものが正しい」。
・風の時代(約2020〜2220年):双子座・天秤座・水瓶座での合。情報・知性・つながりの価値観——SNS、個人発信、AI、脱中央集権、「何を知っているか」が力。2020年12月21日、木星と土星が水瓶座で重なり、本格開幕とされます。
風の時代へのメッセージ——風の時代は決していいことばかりではありません。情報が自由に飛び交う時代は、偽情報が拡散しやすい時代でもある。つながりが増える一方で、関係は希薄になり、深く根を張ることが難しくなる。風は軽くて速い——それはそのまま、浅さと不安定さにも繋がります。だからこそ風の時代には地の知恵——情報の真偽を見極める目、人と深く向き合う力、地に足のついた判断——が錨になります。時代のエレメントに乗りながら、失われがちなエレメントを意識的に補う。それが風の時代を賢く生きる姿勢です。
トロピカルとサイデリアル——西洋とインド、歳差への二つの答え
歳差運動をどう扱うかで、占星術は二つの大きな流派に分かれています。
・西洋占星術(トロピカル=回帰黄道):春分点を常に「牡羊座0度」と定義し、季節に基準を置きます。歳差で春分点が実際の星座からずれても、定義上は動かしません。そのため現在、西洋占星術の「牡羊座0度」は、実際の星空では魚座のあたりを指しています。星座から切り離して暦を固定した体系です(このページもこの方式です)。
・インド占星術(サイデリアル=恒星黄道、ジョーティシュ):実際の星座(恒星)に基準を置き、歳差のずれをアヤナムシャという補正値(現在約24度)で常に調整し続けます。星空の実態に暦を合わせ続ける体系です。
この違いのため、同じ生年月日でも西洋では牡羊座、インドでは魚座というように、太陽星座が一つ手前にずれることがよくあります。この「ずれ」の正体こそ、歳差運動そのものです。どちらが正しいという話ではなく、「季節を基準にするか、星空を基準にするか」という思想の違いなのです。
ホラリー占星術——今この瞬間を読む
出生図ではなく、質問が生まれた瞬間の天体図を立てて答えを読む技法です。「ホラリー(Horary)」はラテン語で「時間の」の意味——ホロスコープと同じ「ホーラ」の一族です。生年月日や出生時刻がわからない人でも使えるのが大きな利点です。
起源は古代ギリシャ・ヘレニズム期に遡り、8〜10世紀のアラビア占星術で発展。最も有名な整備者は英国の占星術師ウィリアム・リリー(1602〜1681)で、1647年の著書『クリスチャン・アストロロジー』は現在でも教科書として使われています。
使い方は三段階:①「この仕事はうまくいくか」など、具体的な一問を心に定める → ②その瞬間のホロスコープを立てる → ③アセンダントで質問者を、テーマのハウスで問題を読む。
| 質問のテーマ | 読むハウス |
|---|---|
| 恋愛・出会い | 第5・7ハウス |
| 仕事・転職 | 第10ハウス |
| お金・財産 | 第2ハウス |
| 健康 | 第6ハウス |
| 旅行・移動 | 第9ハウス |
タロットとの関係——大アルカナ22枚は「星座12+天体7+エレメント3」
タロットと占星術は、近代の西洋では一つの照応体系に組み上げられました。ここに載せるのは、「黄金の夜明け団」の標準的な照応で、現在もっとも広く使われているウェイト版タロットの土台になっている体系です。
大アルカナ22枚は、三つの群に分かれます——星座に対応する12枚、七つの古典天体に対応する7枚、エレメントに対応する3枚。12+7+3=22。なぜエレメントの札だけ3枚しかないのかについては、表のあとで解説します。
表の色分け:エレメントの札(3枚) 天体の札(7枚) 星座の札(12枚)は無色です
| 番号 | 大アルカナ | 照応 | エレメント |
|---|---|---|---|
| 0 | 愚者 | 風(エレメント)+天王星 ♅︎ | 風 |
| 1 | 魔術師 | 水星 ☿︎ | — |
| 2 | 女教皇 | 月 ☽︎ | — |
| 3 | 女帝 | 金星 ♀︎ | — |
| 4 | 皇帝 | 牡羊座 ♈︎ | 火 |
| 5 | 教皇 | 牡牛座 ♉︎ | 地 |
| 6 | 恋人 | 双子座 ♊︎ | 風 |
| 7 | 戦車 | 蟹座 ♋︎ | 水 |
| 8 | 力 | 獅子座 ♌︎ | 火 |
| 9 | 隠者 | 乙女座 ♍︎ | 地 |
| 10 | 運命の輪 | 木星 ♃︎ | — |
| 11 | 正義 | 天秤座 ♎︎ | 風 |
| 12 | 吊るされた男 | 水(エレメント)+海王星 ♆︎ | 水 |
| 13 | 死神 | 蠍座 ♏︎ | 水 |
| 14 | 節制 | 射手座 ♐︎ | 火 |
| 15 | 悪魔 | 山羊座 ♑︎ | 地 |
| 16 | 塔 | 火星 ♂︎ | — |
| 17 | 星 | 水瓶座 ♒︎ | 風 |
| 18 | 月 | 魚座 ♓︎ | 水 |
| 19 | 太陽 | 太陽 ☉︎ | — |
| 20 | 審判 | 火(エレメント)+冥王星 ♇︎ | 火 |
| 21 | 世界 | 土星 ♄︎ | (地) |
星座に対応する12枚は、星座のエレメントをそのまま受け継ぎます(右列)。皇帝の推進力は牡羊座の火、隠者の内省は乙女座の地、死神の変容は蠍座の水。カードの意味と星座の意味が、互いの解説になっていることが分かります。
なぜ「星座12・天体7・エレメント3」なのかは、タロットのカードの数と同じ22という数にあります。ヘブライ文字は全部で22字。カバラの古典『形成の書(セフェル・イェツィラー)』は、この22字を三つの母字(すべての音の母体となる特別な3字:アレフ=風・メム=水・シン=火)、七つの複字(2通りの読みを持つ7字=七つの古典天体)、十二の単字(残りの12字=12星座)に分類しました。大アルカナ22枚はこの22文字に一枚ずつ対応しており、三つの群の正体は、実はこの文字の分類そのものなのです。エレメントの3枚——愚者(風)・吊るされた男(水)・審判(火)——は、三つの母字に対応する別格の札ということになります。そして近代の占星術では、この3枚にちょうど三つの現代天体が重ねられました——愚者=天王星、吊るされた男=海王星、審判=冥王星。つまりこの表は「星座12+古典天体7+現代天体3」とも読めるのです。
エレメントの札には、地だけがありません。 三つの母字は風・水・火のみで、地は「三つのエレメントが結実したもの」と考えられたからです。世界(土星)が地を兼ねるとされ、「完成し、大地に降り立つ」という世界のカードの意味とも響き合っています。
タロットカードの番号について:この表は力=8・正義=11とするウェイト版の番号です。マルセイユ版では力=11・正義=8と逆になります。マルセイユ版の番号を支える有名な理屈が一つあります。魔術師(1)と力(11)の帽子のつばは∞(レムニスケート・無限の印)の形に描かれ、世界(21)の花環を結ぶリボンもまた∞の形。つまり1・11・21、「各位の一」の三枚だけがレムニスケートの印を持つのです。ウェイト版は力を8番に移しましたが、力の頭上には今も∞が描かれています。この三枚はタロットカードの中でも特に強力なカードです。
小アルカナのほうは、すでにご存じの対応です——ワンド=火・カップ=水・ソード=風・ペンタクル=地。さらに数札の一枚一枚を「デカン」(星座を10度ずつ三つに分けた区画)に割り当てる体系もあります。それは次の項にすべて載せました。
💡 なお、「天体そのもののエレメント」を載せた解説も見かけますが、これは複数の異なる理屈(古典的には天体が持つのは元素ではなく熱・冷・乾・湿の性質です)が混ざったもので、出典により食い違います。本ページでは、エレメントは星座の属性としてのみ扱っています。
デカン・36枚の小アルカナ・72の天使と魔神——円をさらに細かく刻む
⚖️ はじめに——これは何の資料か
ここに載せるのは、ルネサンス以降の西洋魔術・カバラの文献(『ゴエティア』『Book T』ほか)に記された照応の体系です。文化史・体系の資料としてご覧ください。召喚や実践を勧めるものではありません。また「当たる/当たらない」を論じるものでもありません。円をどう刻み、そこに何を配当してきたか——人間が世界を分類しようとした歴史の、一断面です。
デカン——10度ずつ、36の区画
星座は円の360度を12で割ったもの(30度ずつ)でした。その一つひとつを、さらに三つに割ったのがデカンです。10度ずつ、全部で36。語源はギリシャ語のデカ(10)。起源は古代エジプトにあり、夜空に10日ごとに順ぐりに昇ってくる36の星の群れを暦の目盛りに使ったのが始まりです。1年365日を36×10日+5日で数えた、いわば星でできたカレンダーでした。
ヘレニズム期の占星術はこれを黄道の区画として取り込み、各デカンに支配星を配当しました。その順番が面白いところです——土星・木星・火星・太陽・金星・水星・月。七つの古典天体を地球から遠い順に並べたもので、カルデア順と呼ばれます。地球を中心に天球が入れ子になっていると考えた古代の宇宙観そのままの並びで、いちばん外側が土星、いちばん内側が月です。
曜日の順番も、この並びから導かれます——ただし、そのままの順ではありません。並べてみると、たしかに合いません。
| 並び | |
|---|---|
| カルデア順 | 土・木・火・日・金・水・月 |
| 曜日 | 日・月・火・水・木・金・土 |
あいだに一段の仕掛けがあります。古代では1日24時間の一時間ずつに、この順で守護星を配りました。そしてその日の「1時間目」を受け持った天体が、その日の名前になります。24を7で割ると3余る——だから翌日の1時間目は、輪の上を三つ先へ飛ぶのです。
土星から、三つ飛ばしに拾ってみてください。土 →(木・火を飛ばして)日 →(金・水を飛ばして)月 →(土・木を飛ばして)火 → 水 → 木 → 金 → 土。日月火水木金土が、ぴたりと現れます。曜日とは、天球の順に並べた輪を三つ跳びに拾い直したものなのです。
💡 この「三つ跳び」を図にすると、七つの点を結ぶ七芒星になります。円周に天球の順で天体を置き、一つおきに三つ先へ線を引いていくと、七本の線で星形が閉じて元に戻る——曜日はその星をたどった順番です。7という数が素数だからこそ、途中で止まらずに全部を一筆で拾えます。
牡羊座の第1デカンは火星から始まります(牡羊座の支配星そのもの)。あとは順ぐりに、円を一周して36個ぴったりで元に戻ります。
36枚の小アルカナ——実は、あなたはもう仕組みを知っています
黄金の夜明け団は、この36のデカンに小アルカナの数札2〜10(4スート×9枚=36枚)を一枚ずつ配当しました。マザースがまとめた『Book T』の体系で、ウェイト版・トート版どちらの絵柄も、この土台の上に描かれています。
そして——この割り当ては、覚えるものではありません。すでにご存じの二つの知識から、機械的に出てきます。
| 決めるもの | 使う知識 | 規則 |
|---|---|---|
| スート(どの組か) | 星座のエレメント | 火=ワンド/地=ペンタクル/風=ソード/水=カップ |
| 数字(何番の札か) | 星座の三区分 | 活動宮=2・3・4/不動宮=5・6・7/柔軟宮=8・9・10(第1〜第3デカンの順) |
たとえば牡羊座は火の活動宮——だからワンドの2・3・4。牡牛座は地の不動宮——だからペンタクルの5・6・7。双子座は風の柔軟宮——だからソードの8・9・10。これで12星座×3=36枚がぴたりと埋まり、余りも重複も出ません。
解説書の9章に、4エレメント×3区分=12マスに星座が一つずつ収まる表がありました。「12星座はすべて異なる属性の組み合わせを持つ」というあの表です。その掛け算がそのまま、タロット36枚の住所になっているわけです。区分を覚える意味は、こんなところにまで及んでいます。
📌 表の「昼の魔神/夜の魔神」については、次項で説明します。札の通称は『Book T』の英名(Lord of ○○)に基づく訳です。
72の天使——シェム・ハ=メフォラシュ
円を5度ずつ刻むと、72の区画になります(30度÷5=6区画×12星座)。この一区画をクイナンスと呼びます。ここに配当されるのが、カバラの伝統でいうシェム・ハ=メフォラシュ(שם המפורש=「分節された御名」)の72天使です。
出どころは『出エジプト記』14章の19〜21節。ヘブライ語で書かれたこの三つの節は、いずれもちょうど72文字でできています。19節を左から、20節を右から、21節をまた左から——牛が畑を耕すように往復に読んで三文字ずつ縦に取ると、72の三文字の名が現れる。そこへ神を意味する接尾辞エル(אל)またはヤ(יה)を添えたものが、72天使の名です。名前の多くが「〜エル」「〜イア」で終わるのはそのためです。
この72天使を黄道の5度区画に順に当てる方式は、文献間で異論がありません。牡羊座0〜5度が第1のヴェフイアで、そこから順に一周し、第72のムミアが魚座25〜30度で閉じます。
⚠️ 職能の一覧について——使う前に、三点
下の表の「天使が何を司るか」は、読む前に知っておくべきことが三つあります。この三点を伏せて使われることが多いのですが、伏せると誤解を招きます。
① 名は古く、内容は新しい。 72の名そのものは16〜17世紀(ロイヒリン1517年・キルヒャー1653年)まで遡りますが、職能の一覧は19世紀フランスのキリスト教カバラの産物です(ルナン1823年)。両者を「古代からの伝統」と一括りにはできません。
② キリスト教の色が濃い。 第20位・第41位・第63位には「諸国民をキリスト教へ改宗させるために」等の記述があります。出典の著者自身が第20位に「(!)」を付して異和を示しているほどです。由来を伏せずに読んでください。
③ 唯一の正解ではない。 この一覧はアンブラン/ルナン系統という一本を選んだ結果であり、他の系統では内容が変わります。
また、原文の各項は①祈願の用途(For/Against/To〜)②司るもの(Governs/Protects/Influences)③その天使が与える資質という三段構造になっており、①と②は別の情報です。元本は占星術の書ではなく「招請の手引き」でした(第17位「断食して呼ぶべし」、第19位「南を向いて呼ぶべし」がその証拠です)。②を持たない項が21ありますが、これは欠落ではなく元の資料の正直な姿ですので、埋めずにそのまま載せています。
72の魔神——ゴエティア、そして二つの流儀
『ゴエティア』は17世紀の魔術書『レメゲトン(ソロモンの小さな鍵)』の第一の書で、72の霊の名・位階・印章を列挙したものです。バエル、パイモン、アスモデウス、ベリアル——現代のゲームや小説でおなじみの名前の、ほとんどの出所がここです。
この72を黄道に当てるとき、広く使われている方式が二つあり、内容が食い違います。どちらか一方だけを「正しい」として載せるのは誠実ではないので、両方を示します。
| 流儀 | 刻み方 | 割り当て | 例:牡羊座の頭 |
|---|---|---|---|
| 黄金の夜明け団 マザース/クロウリー『777』 | 10度(デカン) | 1デカンに昼・夜の二体。昼=序列1〜36、夜=序列37〜72が、それぞれ36のデカンを順に受け持つ | 牡羊0〜10度=昼バエル(1)・夜フェニクス(37) |
| ラッド系 近代の「クイナンス」説 | 5度(クイナンス) | 天使と一対一。序列どおり72区画に一体ずつ。天使Nと魔神Nが同じ区画で対になる | 牡羊0〜5度=バエル(1)/5〜10度=アガレス(2) |
上の36デカン表に載せた「昼の魔神・夜の魔神」が前者、下の72区画表が後者です。結果画面の一覧で出しているのは後者(天使と一対一)——天使と並べて見るのが本項の趣旨だからです。
💡 なお、天使Nと魔神Nを「光と影の対」とみなす見立ては17世紀の英国の医師・魔術書収集家トマス・ラッドに遡るとされ、彼の写本では魔神を制する天使として並べられています。近年これを占星術に仕立て直したのがクイナンス説です。体系としての歴史はそれほど古くありません——古代からの伝承ではない、という点は押さえておいてよいでしょう。
📖 表記のゆれについて——天使・魔神の名はヘブライ語・ラテン語からの転写を重ねたもので、写本や翻訳ごとに綴りが揺れます(第30位 Ornael と Omael のように、rn と m の誤読に由来するものもあります)。照合できるよう、和名の下にラテン綴りを併記しました。魔神の軍団数も版によって食い違います(バエル 66/「32以上」など)——「正しい一つの数字」は存在しません。なお第11位と第17位はどちらも Lauviah という同じ名ですが、別の天使として扱われます(写本伝統に由来する重複で、誤記ではありません)。
📚 出典——何に書いてあるかを明示します。
- デカンの支配星=カルデア順(ヘレニズム占星術の標準)
- 小アルカナ36枚の配当=S.L.マグレガー・マザース『Book T — The Tarot』(黄金の夜明け団)、A.クロウリー『777』『トートの書』
- 72天使の職能=William S. Burkle, Ph.D. “The Seventy-Two Angels of the Shemhamphorash: Their Derivation, Correspondences, and Invocation”(Societas Rosicruciana in Civitatibus Foederatis, 2015年11月6日・全65頁)の Table 6 の全訳。同論文が引く典拠はロベール・アンブラン『実践カバラ』(1951年)第5章、さらに遡るとルナン『カバラ科学』(1823年)。名前そのものの系譜はロイヒリン『カバラの術について』(1517年)・キルヒャー『エジプトのオイディプス』(1653年)
- 72魔神=『レメゲトン(ソロモンの小さな鍵)』第一の書『アルス・ゴエティア』(17世紀成立)、S.L.マザース訳/A.クロウリー編(1904年)。序列の祖形はヨハン・ワイヤー『悪魔の偽王国』(1577年・69柱)
- 天使と魔神の一対一対応=トマス・ラッドの写本系統。これは黄金の夜明け団以降に整えられた後付けであり、17世紀の『ゴエティア』にも、カバラ本来の教説にも、この形の対応はありません
習熟度の目安——どこまで登れば「占星術師」か
| レベル | 習得の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 初級 | 10天体・12星座・エレメントを覚えた | 太陽星座・月星座・アセンダントの意味がわかる。ホロスコープが円形で何を表しているかを説明できる |
| 中級 | 天体×星座×ハウスの組み合わせが読める | 12ハウスの意味がわかる。「この場面でこの能力がこう発揮される」という読みができる。全体の上下・左右・エレメントの偏りを見て人物像を語れる |
| 上級 | アスペクトを統合して読める | 合・対・矩・三角を見て天体間の力学が読める。ホロスコープ全体を一つのストーリーとして語れる。ここで占星術師と言える |
| 専門家 | 時期の予測と複合技法が使える | トランジット(現在の天体と出生図の関係)で「いつ何が起きやすいか」が読める。シナストリー(相性図)・太陽回帰などの応用技法を使える |
上級と専門家の間には大きな壁があります。上級は「その人を読む」技術ですが、専門家には「時間を読む」技術が加わるのです。このページはv2からアスペクトに対応したので、上級の入り口まで練習できます——そこから先は、あなたの手と数がものを言います。
雑学 — 国民的マンガは占星術でできている
セーラームーンは占星術でできている
『美少女戦士セーラームーン』のキャラクターは、名前・性格・役割が惑星の占星術的な性質と対応しています。苗字には惑星の漢字が埋め込まれ、しかも全キャラクターの誕生日が、自分の惑星が支配する星座(ドミサイル)に設定されている——作者・武内直子による意図的なデザインと言われています。
対応表を見る(上の「支配星」の表と見比べてみてください)
| キャラクター | 苗字の由来 | 誕生日 | 誕生星座 | 支配星 | 性格・役割との対応 |
|---|---|---|---|---|---|
| セーラームーン(月野うさぎ) | 月野→月 | 6月30日 | 蟹座 | 月 ☽︎ | 感情的・母性・守護。仲間を守ろうとする性質 |
| タキシード仮面(地場衛) | 地場→地球 | 8月3日 | 獅子座 | 太陽 ☉︎ | 光・権威・中心。うさぎを守る唯一の男性戦士 |
| セーラーマーキュリー(水野亜美) | 水野→水星 | 9月10日 | 乙女座 | 水星 ☿︎ | 知性・勉強家・分析力。クラストップの秀才 |
| セーラーヴィーナス(愛野みなこ) | 愛野→愛=Venus | 10月22日 | 天秤座 | 金星 ♀︎ | 愛・美・恋愛体質。アイドル志望 |
| セーラーマーズ(火野レイ) | 火野→火星 | 4月17日 | 牡羊座 | 火星 ♂︎ | 情熱・直感・戦闘的。霊感が強く気が強い |
| セーラージュピター(木野まこと) | 木野→木星 | 12月5日 | 射手座 | 木星 ♃︎ | 力強さ・豪快・包容力。大柄で頼もしい |
| セーラーサターン(土萠ほたる) | 土萠→土星 | 1月6日 | 山羊座 | 土星 ♄︎ | 死と再生・孤独・制限。破壊と沈黙の戦士 |
| セーラーウラヌス(天王はるか) | 天王→天王星 | 1月27日 | 水瓶座 | 天王星 ♅︎ | 革新・反骨・自由。性別を超えた存在感 |
| セーラーネプチューン(海王みちる) | 海王→海王星 | 3月6日 | 魚座 | 海王星 ♆︎ | 幻想・芸術・神秘。バイオリニストで感性豊か |
| セーラープルート(冥王せつな) | 冥王→冥王星 | 10月29日 | 蠍座 | 冥王星 ♇︎ | 変容・深層・孤高。時間の門番として一人で使命を負う |
そして物語の中心が月野うさぎ(蟹座・月)と地場衛(獅子座・太陽)の二人であることに注目してください。支配星のマップの中心=夏至点に並ぶ月と太陽(二大ルミナリー)——あの物語の構造は、惑星ルーラーシップの構造そのものなのです。
💡 支配星の表がなかなか覚えられなかったら、セーラームーンを思い出せばいい、ということです。誕生日と星座と支配星が10組、すでにあなたの記憶にあるのですから。
聖闘士星矢も占星術でできている
『聖闘士星矢』の黄金聖闘士は、黄道十二星座を守護とする12人の最強の聖闘士。セーラームーンが天体10個なら、こちらは星座12個です。しかも12人全員の誕生日が、自分の守護星座の期間内に設定されている——セーラームーンの「全員ドミサイル」と響き合う、作者・車田正美のデザインです。
対応表を見る(上の「星座」の表と見比べてみてください)
| 黄金聖闘士 | 守護宮 | 星座 | 誕生日 | 性格・役割との対応 |
|---|---|---|---|---|
| ムウ | 白羊宮(はくようきゅう) | ♈︎ 牡羊座 | 3月27日 | 十二星座の先頭(春分点)=十二宮の最初の門を守る |
| アルデバラン | 金牛宮(きんぎゅうきゅう) | ♉︎ 牡牛座 | 5月8日 | 名前はおうし座α星(実在の一等星)そのもの。巨躯と寡黙な堅実さ |
| サガ | 双児宮(そうじきゅう) | ♊︎ 双子座 | 5月30日 | 善悪の二重人格+双子の弟カノン=双子座の二面性そのもの |
| デスマスク | 巨蟹宮(きょかいきゅう) | ♋︎ 蟹座 | 6月24日 | 技「積尸気冥界波」の積尸気は、蟹座に実在するプレセペ星団の中国名(死者の気が集まる場所とされた) |
| アイオリア | 獅子宮(ししきゅう) | ♌︎ 獅子座 | 8月16日 | 百獣の王の誇り・勇気・直情=獅子座の質 |
| シャカ | 処女宮(しょじょきゅう) | ♍︎ 乙女座 | 9月19日 | 「最も神に近い男」。純粋・精神性・悟り |
| 童虎 | 天秤宮(てんびんきゅう) | ♎︎ 天秤座 | 10月20日 | 均衡と裁定の長老。天秤座の聖衣は武器を「対」で収める |
| ミロ | 天蝎宮(てんかつきゅう) | ♏︎ 蠍座 | 11月8日 | 最後の一刺し「アンタレス」=さそり座α星(蠍の心臓) |
| アイオロス | 人馬宮(じんばきゅう) | ♐︎ 射手座 | 11月30日 | 正義と希望の射手。アテナを救った殉教者、矢のモチーフ |
| シュラ | 磨羯宮(まかつきゅう) | ♑︎ 山羊座 | 1月12日 | 忠誠の士。右腕の聖剣エクスカリバー=山羊座の規律と忠実 |
| カミュ | 宝瓶宮(ほうへいきゅう) | ♒︎ 水瓶座 | 2月7日 | 水瓶=水を運ぶ者。氷の技と冷徹な理性 |
| アフロディーテ | 双魚宮(そうぎょきゅう) | ♓︎ 魚座 | 3月10日 | 魚座の神話は魚に変身した美の女神アフロディーテその人。美貌の聖闘士 |
そして十二宮編——白羊宮から双魚宮まで、聖域の十二宮を牡羊座から魚座へ順に登っていくあの物語の道筋は、黄道十二宮の並びそのものです。宮の漢字名(白羊宮・金牛宮…)も、西洋占星術で使われてきた十二宮の伝統的な漢名です。
💡 星座の順番と期間がなかなか覚えられなかったら、十二宮編を思い出せばいい、ということです。牡羊座から魚座まで、あの階段を登った順が、そのまま黄道十二宮の順番なのですから。
計算方式について(本格派のための注記)
・ハウス分割はプラシーダス方式。アセンダント・MCは出生地の緯度経度と恒星時から厳密に計算しています。
・ドラゴンヘッド/テイルは平均ノード(ミーンノード)を使用しています。
・アスペクトはメジャーアスペクト5種(合0°・六角60°・矩90°・三角120°・対180°)を10天体同士で計算。オーブは合・対=8度、矩・三角=6度、六角=4度です。
・天体位置の計算には天文計算ライブラリ Astronomy Engine(MIT License, © Don Cross)を使用。精度は角度の1分以内で、プロ用の占星術ソフトと一致します。
・対応期間は1900〜2050年、出生地は日本国内のみです。時刻は日本標準時(JST)として扱います。
・1948〜1951年の夏(5月〜9月)生まれの方へ:当時の日本にはサマータイムがありました。母子手帳の時刻がサマータイム表記の場合は、1時間引いた時刻を入力してください。
・計算はすべてお使いのブラウザの中で行われます。入力した生年月日などが外部へ送信されることはありません(無断転載・再配布はご遠慮ください)。